《0209》 2割負担と3割負担 [未分類]

70~74歳の方の医療費の窓口負担が1割から2割に増える?
という報道を聞いて、真っ先に浮かんだのが、69歳の方々のお顔。

彼らは70歳の誕生日を心待ちにしているのです。
その日まで、ほしい薬も検査も全部、我慢されています。

誕生日になれば、3割負担が1割負担に変わるのです。
価格が3分の1になるのは、やはり大きな出来事です。

しかし改正法案が現実になると、3が2に留まります。
1減ったからよしと考えるのか、予定より1多いから残念と考えるのか、
大変悩ましい69歳の方が何人かおられます。

1割負担と2割負担の間には、大きな壁があるように感じます。
単純に倍ですから、当たり前といえば当たり前ですが……。

さらに、2割負担と3割負担の間は、さらに大きな壁となります。
アップ率で言えば、前者は200%で、後者は150%です。

しかし、後者の方が、患者さんに与えるインパクトの大きいことが
分かっています。

3割負担だと、3~4割の方が受診を控えるという統計があります。
控え過ぎた結果、手遅れになったり、入院になる可能性もあります。

では、4割、5割負担だと、どうなるのか?
答えは、4割、5割負担というものは存在し得ないそうです。

「保険」と言えるのは、3割負担が限界だそうです。
そう言われれば、何となくそうですね。

いずれにせよ、前期高齢者の窓口負担が、1割から2割に
上がるという法案は、町医者の立場から見て正直、かわいそうです。
ガッカリする前期高齢者たちの顔が目に浮かびます。

本来、健康保険の窓口負担は、保険と言うからには、
最大でも2割負担までであってほしいと願います。
そのためには、医療費の無駄をなくす努力も必要です。

以上、町医者の勝手な独り言でした。