《0021》 病院を出た途端に、介護保険が始まる [未分類]

病院内にいる限り、介護保険制度は全く関係ありません。
しかし、病院を一歩出ると、介護保険制度のお世話になります。

「在宅医療」とは、「医療保険」と「介護保険」の2本立てです。
こんな単純なことを、病院医療者はついつい忘れがちです。

寝たきりの人が病院から帰ってきても、介護ベッドがないこともシバシバ。
でも、病院医療者は病気を治すことに必死だから、責めないでくださいね。

40歳になれば介護保険に入らなくてはなりません。
65歳以上なら、介護が必要なら病名によらず、40~64歳は、
定められた15の特定病名ならば、介護保険が利用できます。

しかし、先に「介護認定」されることが必要です。
そのためには、市町村の介護保険課に介護認定を申し込む作業から始まります。
調査員による家庭訪問調査と、主治医意見書の、2つの書類と睨めっこしながら、要介護度が決定されます。
私も、介護認定審査会の委員です。
月に一度の審査会で約50人の審査をします。
一つの合議体は5名の委員で構成されます。
意見が分かれた時は多数決ですが、奇数なので必ず決まります。

こうして、めでたく介護認定されても要支援者(軽症者)は、指定の「地域包括」のケアマネさんが担当します。
要介護者は、自由に好きなケアマネが選べます。

在宅療養は、ケアマネ選びが大切です。
選ぶのは患者さん自身です。
皆さん、医療のことばかり考えがちですが、家に帰って必要なものは実は「介護保険」の方なのです。