《0212》 風邪だと思ったら肺炎だった [未分類]

「風邪」と「肺炎」は、全く違う病気です。
風邪は、風邪ウイルスによる上気道の炎症。
一方、肺炎は時に命に関わる重大な病気です。

「風邪だと思って診ていたら、肺炎だった」
なんて経験は、いくらでもあります。
一生懸命、聴診器を当てても、しっかり(?)誤診しています。

80歳代の女性が、「風邪です」と言いながら
入ってきました。診察の結果、
患者の言う通り風邪と診断し
漢方薬を処方しました。しかし食欲は無くなる一方です。

5日目。とうとうレントゲンを撮り、血液検査をしました。
案の上、素人目にも明らかな立派な肺炎が写っていました。
大慌てで、汗をかきかき、肺炎の治療を開始しました。

高齢者の肺炎は、熱や咳が出ないことがよくあります。
ケロッとしていますが、良く聞くと食欲がありません。
体温より食欲の方が、アテになります。

町医者は、毎日多くの「風邪」を診ます。
その中には、肺炎を始め、結核、肺がんなどの
重大な病気が紛れこんでいることが時々あります。

肺炎なのに、風邪と誤診したら、患者さんに恨まれます。
「ヤブ医者」の悪名が、街に知れ渡ります。

町医者は、意外かもしれませんが、
内心ビクビクしながら風邪を診ています。
すべては、風邪から始まります。