《0214》 診立てが一日で胆のう炎に [未分類]

「風邪の誤診」を話しだけでも、20~30話は
下らないでしょう。在宅医療では、発熱という訴えが
毎日どこかで聞こえます。
往診、診察して風邪、気管支炎、肺炎と診断していきます。

39度台の発熱で呼ばれることが、時々あります。
食欲が無ければ、当然、肺炎の可能性も考えます。
また、この季節だと、インフルエンザかもしれません。

いろんな説明をしながらも、迅速検査の結果、
白血球が異常に高ければ抗生物質を使います。
ご家族には、「肺炎」の説明を詳しくします。

翌朝、他の検査結果が記されたFAXを見て
愕然とします。GOT、GTPとも、
700~800に上昇しているのです。
なんと、「急性胆のう炎」だったのです。

あれだけ家族に「肺炎」の説明をした翌日に、
診たてが「胆のう炎」に変わると
家族の信頼はさすがに揺らぎます。
医療も政治も、ブレずに行きたいものですが・・・

在宅医療の現場では、胆のう炎が意外に多いのです。
胆石がある場合が大半ですが、無い場合もあります。
食欲低下というサインを見逃さないことです。

ポータブルのエコーで確認すれば、
その場で診断できます。これだけ分かっていても
よく誤診するのが、「胆のう炎」。
何度も発作を起こす人には、手術や内視鏡治療を勧めます。