《0230》 小さいがん、見つけた [未分類]

私は、消化器内視鏡医でもあります。
結構小さながんを発見するのが得意です。
ある日、小さな食道がんを発見しました。

大学病院の専門家に紹介しました。
そこでも内視鏡検査をしましたが、がんが見つからず、
「どこのあるのか?」との電話がかかってきました。

「食道の中央部を良く観てください」と言うと、
1週間後に「ありました!」と電話がありました。
私も、「よかった!?」と。

また、小さな咽頭がんを発見して、病院の耳鼻科に
紹介したときも最初は、「そんなものな無い」と
返ってきました。しかし、やはり在りました。

膵臓がん、肝臓がんでも同じようなことがありました。
開業医の言うことなど、あまり信用されていないのかな?
開業医も病院も同じ、エコーが強力な武器です。

1センチの胃がんを発見して大病院に紹介した時は、
病院で再検査をせずに、外科手術に回っていました。
これは反対に、開業医を信用し過ぎ?と驚きました。

消化器がん以外なら、腎臓がんや肺がんでもありました。
病院から「小さすぎて、最初はよく分からなかかった」
「よく、こんな小さなものを見つけたな」と言われました。

慶應大学の近藤誠先生は、「がんの早期発見は意味が無い」
のようなことを書かれています。たしかに
「がんもどき」のような「がん」も、少しあると思います。

しかし、早期発見で命が救われたがんも多いと感じます。
私がたまたま見つけた小さながんは、もし見つからなければ
すべてが命を脅かしていたと手術結果を見た時、確信しました。

がんの終末期ばかり診ている、と思われがちな在宅医ですが、
「がんのはじまり」も、日々一生懸命、探しているつもりです。
自分の中では、「がんクリニック」だと思っています。