《0024》 在宅医療の主役は、訪問看護師さん [未分類]

在宅医療の主役は医師ではありません。
訪問看護師さんです。
これは、病院医療者もマスコミさんも、しばしば誤解している点です。
医師は、診察して診断をして必要な指示を出すだけです。

私自身が点滴や採血をすることもあります。
しかし、大半は訪問看護師さんが行っています。
患者さんたちは皆、訪問看護師さんが来るのを楽しみにしておられます。
日々のケアや状態観察、家族やヘルパーさんへの指導など、大忙しです。
訪問看護師さんなしでの在宅医療は、私には考えられません。

その訪問看護制度は、少し複雑です。
末期がんや難病などは医療保険で、それ以外の慢性疾患では介護保険で、行うように定められています。
介護保険下で訪問看護を行うには、ケアマネさんに頼んでケアプランに入れてもらわなくてはなりません。
ところが、既にヘルパーさんで介護保険の枠がいっぱいになっていて困り果てることも、よくあります。

医師は、看護師さん、ケアマネさんと深く連携しなければなりません。
さらに、歯科医、薬剤師、ヘルパー、訪問入浴業者など、10職種以上で構成される在宅スタッフたちとも、密に連携しなければなりません。
「多職種連携」という言葉が、我々の間ではよく使われています。
医師は、まるでオーケストラの指揮者のような役割を担っています。
しかし、連携が充分に行われているとはまだ言えない現実です。

この辺りの事情は非常に複雑ですので、また改めて書きますね。
ともかく在宅療養に、主役として活躍する訪問看護師さんは不可欠な存在です。