《0242》 年末の長期処方 [未分類]

年末は、長期処方が増えます。
今日来た人は、2週間後はちょうど大晦日なので、
ほとんど3週間処方を希望されます。

いや、ここぞとばかり1カ月処方を希望される方も多いです。
かくして、2週間投薬が4週間投薬になるのは、自然の摂理。

1カ月投薬の人はさらに、2カ月投薬、3カ月投薬と……。
ただし、睡眠薬は1カ月以上出せません。

現在の開業医は、10年前とは全く違う世界になりました。
私が開業した時、先輩から「投薬は1~2週間ごとのもの」と教えられました。
しかし現在は、概ね1カ月ごと。
特に生活習慣病のお薬は、1~2カ月投薬が、標準になってきました。

一方、病院が3カ月投与するのは、忙しくて外来がパンクするから。
患者さんが1カ月希望と言っても、3カ月分処方する医師もいます。

それだけでその医師の診察する患者さんが3分の1に減るからです。
病院の勤務医にとっては、3カ月投薬はまさに「武器」です。

しかし多くの開業医にとっては、
患者さんが3分の1に減ること=診療報酬が3分の1に減る、ことなのです。

それを見越すかのように、患者さんは、すまなさそうに1カ月投薬を
切り出してこられます。

病状が落ち着いていたら、「どうぞどうぞ」と応えます。
もし病状が不安定ならば、長期投与はできません。
3カ月処方するということは、それまで保障するということ。

しかし、医者にしてみれば長期投与には「不安」がいっぱいです。
万一、その間に何かトラブルが起きたら、責任を問われるかもしれません。
また、恨まれるかもしれません。

いずれにせよ、病院は誰もがあまり行きたくない場所。
まして忙しい労働者なら、肝腎の通院時間も取れません。
もし自分が患者だったら、やはり1カ月を希望するでしょう。

年末年始に限らず、長期処方を上手く使って下さい。