《0244》 全身疾患としてのCOPD [未分類]

一昨日、尼崎COPDフォーラムがあり、前座講演しました。
COPDとは、慢性閉塞性肺疾患。
肺気腫やその仲間の病気。
全国に500万人もいる割には、認知度の低い病気です。

COPDは、早期発見が難しい。
そこで、クリニック前のよろず相談所で、道行く男女に「ハイチェッカー」
という簡易肺機能測定器を吹いてもらったデータを発表しました。

肺年齢と実年齢の差は、喫煙者の方が有意に大きかった。
慢性的な咳や痰の症状も、喫煙者だけに見られました。
そして見つかったCOPD患者は、すべて喫煙者でした。

京都大学の三島理晃教授が、COPDの最新情報を講演しました。
三島教授が強調されたのは、COPDは全身疾患であるということ。
認知症、骨粗しょう症、逆流性食道炎(GERD)と関連しています。

COPDがあると、骨が弱くなり、胃酸の逆流に悩むようになる。
そして栄養が悪くなり、寿命が短くなる。

COPDの原因の95%は、タバコです。
やはり禁煙指導が、COPD治療の基本です。

そして、吸入用の抗コリン剤とステロイド剤を使います。
この数年、COPDのお薬の進歩は目覚ましいです。

重症患者さんには、在宅酸素を行いますが、タバコを吸う方には
火事の危険があるので使えません。
禁煙してからの、酸素吸入となります。

三島教授も、以前、尼崎の病院で働かれていたそうです。
公害の町、アスベストの町、尼崎ですから、ここからCOPD撲滅、
禁煙を発信する意義は大きい、と感じました。