《0248》 あれもこれも「医療ミス」 [未分類]

カリスマ弁護士が登場するテレビ番組の影響でしょうか。
「医療ミスだ。訴えてやるー!」と患者さんから
言われることがあります。最近の実例を5つほど。

血圧を測る時に、腕に巻く布が患者さんのセーターに
くっついて、剥がす時に、セーターがケバ立ちました。
患者さんは、「医療ミスだ」と怒り出しました。

謝りましたが納得されないので、セーター代を弁償しました。
それ以来、その患者さんの血圧を測定する時は、
私の血圧が上がっていると思います。

また、インフルワクチン接種した腕が赤く腫れあがった患者さんが
駆け込んで来ました。ワクチン接種は赤く腫れることがあると
事前に説明していますが、納得されません。

「医療ミス」だから、厚労省に電話すると言われました。
湿布で冷やしましたが、処置室でも
「医療ミス!」を連発されていました。

また、採血の後の腕が、青タンのようになることがあります。
不可抗力なのですが見かけが悪いのでこれも「医療ミス!」と。
「怒られるので今後は採血しない」と言うとまた怒られました。

ある胃薬を出してから、下痢をした人がいました。
「そのお薬とは関係ない」と説明しましたが納得されません。
これも「医療ミス」と言われました。

インフルエンザの迅速キットで陰性だった患者さんが、
翌日別の医療機関を受診して陽性になったことがありました。
これも「医療ミス」だから、お金を返すよう、粘られました。

点滴を失敗するのも、「医療ミス」
採血で服が汚れるのも、「医療ミス」
いたるところで、「医療ミス」を指摘されます。

私が「クレーム」と認識するものでも、「ミス」と言われます。
役所などへの通報電話に留まらず、暴れる人もいます。
一日中、クレーム対応に追われて診療できない日もありました。

「医療ミス」という言葉が、市民権(?)を得て、
ごく普通の言葉として広く使われる時代になりました。