《0254》 「謝罪」と「説明する」の大切さ [未分類]

私は、大小、沢山のミスを犯してきました。
私が、小さいと思っても、患者さんにすれば、
許しがたいほど「大きいミス」だったかも知れません。

しかし、幸いにも、訴えられたことはありません。
それは、私が、要領のいい言い訳をしたり、
小さな嘘をついてきたからかもしれません。

ただ、クレームには、逃げないで来たことは確かです。
相手が求めれば、誠実に説明してきたつもりです。
自分の中では、「謝罪」と「誠実な説明」を大切にしているつもり。

医療裁判は、不毛です。
横で見ていて、訴えられる方も、訴える方も、
長い裁判で、心身が摩耗していく姿を見てきました。

「犯罪性」があったり、明らかに「重大な過失」が
あったりする場合は別です。「医療の不確実性」による
「医療ミス」(敢えて患者さんが呼ぶこの言葉で書いています)ならば、
まず話し合うことではないでしょうか。

いきなり警察、いきなり証拠保全、となると、
あとは、何年間も、不毛の時間となるような気がします。
一線を越えると、お互い、一歩も引けなくなるからです。

弁護士さんには怒られるかもしれませんが、
本当に必要な医療裁判は、そう多くはないと思います。
話し合いで解決できるトラブルが大半だと思います。

「あの医者が一言謝ってくれたら、こんなことにならなかった」
という患者さん家族の「後悔の呟き」を聞いたことがあります。
「やはり人間なんだ。感情の動物なんだ」と、思いました。

トラブルが生じたら、まず、当事者同志が納得がいくまで
話し合うことが大切だと思います。

間に、専門の第三者に入ってもらいますが、
弁護士や学者は要らないと、私は考えます。

以上10回、敢えて患者さんが普通に使う「医療ミス」
というキーワードをもとに、私自身が犯した「ミス」、
私の周囲で起きた「ミス」を題材に、私見を書きました。

師走の忙しい中、おつきあい頂いた皆さまに
感謝いたします。

一番大切だと思うことを、年の最後に書けて幸せです。