《0260》 血圧変動にご注意 [未分類]

毎年、お正月に、お餅を喉に詰める人が必ずいます。
同じく、血圧で倒れて救急車で運ばれる患者さんもいます。

何度も書きますが倒れる場所は、「トイレ」と「浴室」。
寒い場所では、想像以上の血圧変動が起きます。

120の人が、一気に200まで上がったりします。
一瞬にして、心臓や脳に異変が起きます。

血圧は身長のように一定の値だ、と思っている人が多い。
結果が160であっても、普段は120だ、と納得されない。
家は家、診療所は診療所、と根気よく説明します。

血圧は生き物。
一拍、一拍、みんな違います。

例えば不整脈の血圧は、その一拍だけ少し低くなります。
寒いところに出た瞬間40も上昇し、長湯した後には40も下がる。
深呼吸3回だけでも10も、下がります。

寝ている間は、通常は1日の中で一番低い。
一方、激しく怒ると、ぐっと50も上がる。

ならば最低と最高の差は、一体どれくらいあるのか?
もちろん個人差はあるでしょう。
50程度の方もいれば、100を超える方もいるでしょう。
いずれにせよ、血圧は刻一刻と、変化しているものです。

それを、たまたま診察室内で測ったものを「来院時血圧」、
自宅で起床時や就寝前に測ったものを「自宅血圧」と呼び、
それぞれの情報を総合しながら、「血圧の評価」を行います。

ですからある一点の血圧値ですべてを判断するわけではありません。
あくまで変動幅、変動時間などで総合的に考えるのが、「血圧」。

しかし、一瞬の血圧値で、取り消せない事故が起こるのも事実。
そんな、血圧管理の重要性を改めて認識するのが、日本の「冬」です。

とはいえ日本は実に広い。
氷点下になる地域の方は、特にご注意ください。