正月明けは、病院も診療所も、たいへん混雑しています。
帰省などによる過労や、感染性胃腸炎などの感染症など。
正月の楽しみが、明けの「苦しみ」に変わった人もいます。
正月に溜まったエネルギーが、明けに「ドバー」ときます。
転倒、打撲、骨折などの、怪我も多いのがこの年明けです。
慣れないことをすると、慣れない怪我をします。
正月休み中に、旅立た方も何人かおられました。
人の生死に、日時は平等です。
従って、正月に医療者が数日休むことは、元来無理な話です。
病院に搬送したくても、受け入れ先が見つからずに困っています。
一部の患者さんやマスコミは、「たらいまわし」と言われますが、
私たちは、「受け入れ不能」と言います。本当に一杯なのです。
病院のベッド数は「有限」ですから、「裏口入学」は無理です。
ですから、ベッド数が「無限」である、「在宅」に溜まってきます。
実際、直ちに入院が必要な場合、都市部の入院事情は深刻です。
自分で救急車を呼んでも、搬送先がなかなかみつかりません。
兵庫県は、たしか、全国ワースト5に入っていたかな。
すぐに救急車が到着しても、動けないのです。
救急車を呼ぶ⇒すぐに搬送される⇒完璧な救急医療がある、
というイメージは、もはや幻想になってきました。
救急医も不足しています。
普段から「かかりつけ医」を持つことが大切と言われています。
何らかの知恵を使い病院を探すのが、「かかりつけ医」の役割。
しかし、これも、最近ちょっと怪しくなってきました。
紹介しようとしても、紹介先がなかなか見つからない。
半日、いや、2~3日要する場合もあります。
紹介すること自体が、大きな仕事になってきました。
それを見越して、「病院とだけはしっかり繋がっておこう」
というお考えの患者さんが沢山おられます。
それが煩雑な病院業務に拍車をかけているのも事実です。
搬送先が見つからないなら、
地域医療連携は絵餅になります。
困ったものです。