《0281》 簡易検査のタイミング [未分類]

39度の熱が出たと言って、駆け込んでくる方が沢山おられます。

たいてい、診察時間の終わりに近い時間です。

診察時間終了後の受診も毎日何人かあります。

 

高熱が出て直ぐにインフルの簡易検査をしても陽性に出ません。

陽性が出るまで、だいたい半日程度を要します。

わざとひと晩おいてから、簡易検査をすることもあります。

 

簡易検査は、保険診療では原則1回のみです。

ですから、検査のタイミングが非常に重要です。

早すぎず、遅すぎず。

 

診断・治療につながるように、上手に使う必要があります。

また、「偽陰性」の存在(1割程度)にも、注意する必要があります。

これは絶対的な検査ではなく、あくまで重要参考所見です。

 

また簡易検査のキットによって「性能」が少しずつ違います。

簡易検査を過信すると、間違いを犯します。

医師は、簡易検査を含めて総合的に診断します。

 

あるご夫婦が一緒に、高熱を訴えて受診されました。

高熱でインフル確実と思われた妻の簡易検査が、陰性。

平熱でインフルではないと思った夫が、陽性、でした。

 

「1秒で分かる」と書きながら、両方、見事に外れました。(笑)

まあ、こんなことも時々あります。

結局、仲良く、両者にタミフルを処方しました。

 

原則1回限りの簡易検査は、タイミングを選ぶことが重要です。

昔はこんなものは無かったので、インフルの診断は楽でした。

医者が「インフル!」と言ったら「インフル」でした。

 

現在では、この便利な検査が使えますが、

そのお陰で診断に悩むケースもあります。

「簡易検査陰性ですが、インフルです」という場合もあります。

 

今日も大勢の簡易検査をすることでしょう。

鼻水を上手くぬぐってくれる看護師さんのテクニックも大切です。

以上、簡易検査の基礎知識をご紹介しました。