39度の熱が出たと言って、駆け込んでくる方が沢山おられます。
たいてい、診察時間の終わりに近い時間です。
診察時間終了後の受診も毎日何人かあります。
高熱が出て直ぐにインフルの簡易検査をしても陽性に出ません。
陽性が出るまで、だいたい半日程度を要します。
わざとひと晩おいてから、簡易検査をすることもあります。
簡易検査は、保険診療では原則1回のみです。
ですから、検査のタイミングが非常に重要です。
早すぎず、遅すぎず。
診断・治療につながるように、上手に使う必要があります。
また、「偽陰性」の存在(1割程度)にも、注意する必要があります。
これは絶対的な検査ではなく、あくまで重要参考所見です。
また簡易検査のキットによって「性能」が少しずつ違います。
簡易検査を過信すると、間違いを犯します。
医師は、簡易検査を含めて総合的に診断します。
あるご夫婦が一緒に、高熱を訴えて受診されました。
高熱でインフル確実と思われた妻の簡易検査が、陰性。
平熱でインフルではないと思った夫が、陽性、でした。
「1秒で分かる」と書きながら、両方、見事に外れました。(笑)
まあ、こんなことも時々あります。
結局、仲良く、両者にタミフルを処方しました。
原則1回限りの簡易検査は、タイミングを選ぶことが重要です。
昔はこんなものは無かったので、インフルの診断は楽でした。
医者が「インフル!」と言ったら「インフル」でした。
現在では、この便利な検査が使えますが、
そのお陰で診断に悩むケースもあります。
「簡易検査陰性ですが、インフルです」という場合もあります。
今日も大勢の簡易検査をすることでしょう。
鼻水を上手くぬぐってくれる看護師さんのテクニックも大切です。
以上、簡易検査の基礎知識をご紹介しました。