《0282》 タミフル耐性ウイルスは人に感染しない [未分類]

毎日、すごい数のインフル患者さんになってきました。

別室に隔離して診察していますが、はたして

簡易検査がいるのかな?と思う時もあります。

 

昔のように、顔で診断し、タミフルを出してもいいような。

実際、簡易検査陰性でもタミフルを出す場合があります。

なんだか、検査の医療費が勿体無いと思う時もあります。

 

こうなって来ると、医療機関が感染を拡大してしまう

可能性もでてきます。いや、考えておくべきでしょう。

時に、ご家族のみの早期受診でもいいような気がします。

 

ただし一度も診ていない患者さんへの投薬は禁じられています。

「無診投薬」と言われ、重い処分が待っています。

やはり普段から、かかりつけ医を持っておくべきでしょう。

 

さて、タミフル耐性ウイルスの増加が報道されています。

東大医科研の調査では、「タミフルが投与された患者さんの

8%に耐性ウイルスがみられた」と報告されています。

 

タミフル耐性ウイルスと聞くと、なんだか怖そうですね。

MRSAのような命に関わる感染症を想像してしまいます。

しかし、そこまで心配する必要はないようです。

 

自然耐性ではなく、治療により耐性を獲得したインフルウイルスは

耐性化していないインフルウイルスに比べて増殖が遅いようです。

そのため、「耐性ウイルスは人に感染しない」と言われています。

 

どんなお薬も、ある程度の耐性化は仕方がないと思います。

まして人から人に感染しないのであれば、過度に恐れる必要はない、

と思いながら、耐性に関する報道を眺めています。

 

これまで、治療が原因となった感染拡大は報告されていません。

耐性を気にしてタミフルの服用を控える必要は無いと思います。

しかし、できればいろんな種類のお薬を使った方が良いでしょう。

 

というわけで、当院では、タミフル、リレンザに加えて、

新薬・イナビルも投与し始めました。

効果についてはまだ分かりません。

 

毎日、大忙しです。

ピークはまだ先でしょうか。