《0285》 点滴でのインフル治療 [未分類]

この人もインフル? あの人もインフル?

一見、軽い風邪に見える人も調べてみると、みなインフル!

うーん、「人を見たらインフル」に見えてくる毎日です。

 

さてインフル治療薬は、現在、4つあると書きました。

その4番目のお薬とは、「ラピアクタ」という点滴薬です。

飲み薬や吸入薬ではなく「点滴」でインフルを退治します。

 

なんだか抗生剤のような感じです。

「ラピアクタ」は、最初から300mlのバック製剤。

それを15分程度で点滴するだけですから、簡単です。

 

1回点滴すれば、5日間有効となるお薬です。

1本のお値段は、約5600円とのこと。

3割負担だと点滴料も入れて、約2000円です。

 

患者さんの窓口負担には、診察料等も入りますから、

3割負担の方の場合、大体3000円位になるのでしょうか。

一見高そうですが、1回で済むのなら安いのかもしれません。

 

点滴するインフル薬の特徴は、何といっても

効果が早くて強いことです。

解熱するまでの時間が短い、と言われています。

 

だいたい1日半で、平熱に戻ります。

しかし、5日間程度は自宅安静が必要です。

間違っても、点滴翌日から登校・出勤してはいけません。

 

では、どんな患者さんに、この点滴薬を使うべきでしょうか?

私はがんや糖尿病などの「基礎疾患」を持つ人が対象かと考えます。

また、衰弱した在宅患者さんにも使うことがあり得るでしょう。

 

まだ、出たばかりのお薬なのでまだ評価は分かりません。

開業医仲間の評判を聞きながら、徐々に使って行きます。

新薬は思わぬ副作用のリスクがあるので慎重に使います。

 

そうそう、この点滴薬は子供さんにも使えるお薬です。

タミフルは、一時期、10代の子供さんへの投与が問題になりました。

現在、異常行動との関連は一応否定されましたがトラウマがあります。

 

10代の子供さんが来られたら、どのお薬を使うか頭を悩ませます。

また、親御さんへの説明にも、多大な時間を要します。

子供さんのインフルには、漢方薬を処方する場合もあります。