この人もインフル? あの人もインフル?
一見、軽い風邪に見える人も調べてみると、みなインフル!
うーん、「人を見たらインフル」に見えてくる毎日です。
さてインフル治療薬は、現在、4つあると書きました。
その4番目のお薬とは、「ラピアクタ」という点滴薬です。
飲み薬や吸入薬ではなく「点滴」でインフルを退治します。
なんだか抗生剤のような感じです。
「ラピアクタ」は、最初から300mlのバック製剤。
それを15分程度で点滴するだけですから、簡単です。
1回点滴すれば、5日間有効となるお薬です。
1本のお値段は、約5600円とのこと。
3割負担だと点滴料も入れて、約2000円です。
患者さんの窓口負担には、診察料等も入りますから、
3割負担の方の場合、大体3000円位になるのでしょうか。
一見高そうですが、1回で済むのなら安いのかもしれません。
点滴するインフル薬の特徴は、何といっても
効果が早くて強いことです。
解熱するまでの時間が短い、と言われています。
だいたい1日半で、平熱に戻ります。
しかし、5日間程度は自宅安静が必要です。
間違っても、点滴翌日から登校・出勤してはいけません。
では、どんな患者さんに、この点滴薬を使うべきでしょうか?
私はがんや糖尿病などの「基礎疾患」を持つ人が対象かと考えます。
また、衰弱した在宅患者さんにも使うことがあり得るでしょう。
まだ、出たばかりのお薬なのでまだ評価は分かりません。
開業医仲間の評判を聞きながら、徐々に使って行きます。
新薬は思わぬ副作用のリスクがあるので慎重に使います。
そうそう、この点滴薬は子供さんにも使えるお薬です。
タミフルは、一時期、10代の子供さんへの投与が問題になりました。
現在、異常行動との関連は一応否定されましたがトラウマがあります。
10代の子供さんが来られたら、どのお薬を使うか頭を悩ませます。
また、親御さんへの説明にも、多大な時間を要します。
子供さんのインフルには、漢方薬を処方する場合もあります。