《0287》 侮れない脂肪肝 [未分類]

お正月に食べすぎたのか、体重が増えたひとが多いようです。

寒い冬は運動不足になり、体重が増えがちです。

糖尿病のひとは、たいてい冬の血糖値は悪化します。

 

今日は、昨日に続いて、脂肪肝の話題です。

肥満の人は脂肪肝を合併しがちです。

また、糖尿病のひとも脂肪肝を合併しがちです。

 

検診などで、「脂肪肝」と言われたひとは多いでしょう。

GPTが正常値(30)を超えているか、エコー検査で、

肝臓が白く映る状態が、脂肪肝と呼ばれています。

 

CT画像では、脂肪肝は逆に黒く映ります。

こんな「脂肪肝」にどのような意味があるのでしょうか?

現在、脂肪肝の意義についての研究が盛んになっています。

 

脂肪肝は2つに分かれます。

アルコールを飲む人と、飲まない人。

前者は、禁酒で改善します。

 

よくみられる脂肪肝のうち約1割が

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれる病気です。

肝硬変に至り、肝臓がんが出来ることもある悪性の脂肪肝です。

 

NASHが疑われた時は、肝臓の専門病院に紹介して

肝生検や造影エコー検査で診断を確定してもらいます。

当院に帰ってきたら厳しい食事指導とお薬で治療します。

 

では、NASH以外の「普通の脂肪肝」は

放置しても大丈夫でしょうか?

この10年間、脂肪肝に関する多くの研究がなされています。

 

最近の研究によれば、脂肪肝があると脳梗塞や心筋梗塞に

なり易いことが分かってきました。やはり放置はいけません。

医学的には、「インスリン抵抗性が高い状態」と言います。

 

また、メタボ健診で必ず測定する「腹囲」よりも

「脂肪肝の有無」の方が重要であると指摘する研究者もいます。

まさに、「脂肪肝、決して侮ることなかれ!」です。

 

毎年、検診で「脂肪肝」を指摘される人は、

今年こそ、克服を目指しませんか?

私も頑張ります。

 

昨日書きましたように、夕飯を早く食べて、

夜食は止めましょう。

アルコールもしばらくは控えめに。

 

炭水化物を制限して、体重を5%を落としましょう。

60Kgの人なら、3kg減量するのです。

3食きっちり食べて、体重を落としましょう。