《0288》 脂肪肝に効くのは? [未分類]

毎日、多くの脂肪肝の患者さんを診ています。
では脂肪肝には、どんなお薬があるのでしょうか?
よく訊かれる質問です。

実は、私は脂肪肝改善薬というものを知りません。
本当は、食事療法と運動だけで改善すべきですが、
どうしても、お薬も飲みたいという方がおられます。
今日は、脂肪肝に使うことがあるお薬を紹介します。

脂肪肝は医学的には、少し難しい言葉ですが
「インスリン抵抗性」と言い換えられます。
インスリンの効きが悪くなった状態です。

したがって、インスリン抵抗性改善薬を用いることがあります。
要するに、糖尿病のお薬の範疇に入るお薬です。

最もよいお薬は、ビグアナイド剤(メルビンなど)です。
次に、アクトスというお薬も有用です。
さらに、現在3種類に増えたDPP―4阻害薬も大いに
期待されています。

悪性の脂肪肝であるNASHには、 ベザトールSRという
お薬も有効であることが知られています。
これは、高中性脂肪血症を改善するお薬です。

このように脂肪肝には、糖尿病や中性脂肪を改善する
お薬の一部が、用いられることがあります。
しかし、あくまで生活習慣の改善で治すべき病気です。

脂肪肝と言うと、皆さん「肝臓が悪いの?」と驚かれます。
「肝臓が悪いのなら、肝臓の薬をください」とも言われます。

その悪い原因にも色々あります。
例えばC型肝炎とか……。

脂肪肝という病気を分かりやすく説明するのは意外に難しい作業です。
忙しい時は、ついつい 「フォアグラ状態ですよ」と言ってしまいます。
その「フォアグラ」が、思いのほか悪さをするので注意が必要です。

当院では管理栄養士さんが食事について説明してくれます。
食事療法だけで、脂肪肝が見違えるほど改善した人もいます。

なるべくお薬を使わずに、治したい病気なのです。
やはり一番のお薬は、「体重を5%落とす」ことでしょうか。