《0289》 点滴するインフル薬・ラピアクタ [未分類]

2月に入っても、インフルが猛威を奮っています。
子供から老人まで幅広い年齢層のインフル患者さんが来られます。
今日は点滴するインフル薬・ラピアクタについて私見を書きます。

4歳のお子さんが40度の発熱で来られました。
調べると新型インフルエンザでした。

喘息もあり、呼吸数が60回と、かなり重篤な状態でした。
病院へ紹介し入院となって、即、ラピアクタの点滴を受けました。

その日の夜には、呼吸数は20回に減り、翌日には解熱。
みるみる元気になりました。
結局、3泊4日で無事退院されました。

さっそくお母さんが、ラピアクタの効果を報告してくれました。
脳症に至らずに本当によかったと、喜び合いました。

4番目のインフル薬である、ラピアクタ。
まだ、世の中にそんなに知られていません。

1回の点滴で、タミフル5日間と同じ効果があるお薬です。
インフル患者さん全員が、ラピアクタで治療するというには、
まだまだ歴史が浅く、臨床的な評価も豊富とは言えません。

しかし、この子供さんのような場合には非常に頼りになりました。
リレンザやイナビルは、老人や喘息の患者さんは吸入できません。

また、タミフルは子供さんには使いにくい。
飲めない時もあります。
そうなると、ラピアクタしか手がない、ということもあります。

おそらく小児科病棟では、もう常識なのでしょう。
また一般病院でも、常識になってくるのでしょう。
早く治さないと、院内感染のリスクも高まります。

しかし、そもそも本当に早く治るのか?
また、本当に副作用はないのか?
お医者さんは新薬をそうした懐疑的な目で見ながら使います。

このお薬は在宅患者さんにも使えるのでは、と思います。
もし認知症があれば、5日間きっちりお薬を飲めません。
ラピアクアタなら、看護師さんが15分付き添うだけで治療終了。
また、がんの人なら、確実に早く治してあげたい。