産業医という資格をご存じでしょうか?
５０人以上の従業員がいる事業所には産業医の選任が義務づけられています。
私もいくつかの企業の産業医をしています。

数年前、一念発起して「労働衛生コンサルタント」という資格も取得しました。
月に１回出務して、安全衛生会議に出たり職場巡視をします。

尼崎市医師会には、「産業医会」という集まりがあって、全国レベルの先駆的な試みをしてきました。
１００人以上の産業医がいて、私もそのメンバーです。

病人さんは病院にいると思ったら大間違い、であることに気づきます。
定期健診のデータを眺めていると、重症糖尿病や重症高血圧が会社の中に大勢埋もれています。

職場の定期健診は、やりっぱなしでは駄目。
事後措置が大切です。
大きな問題のある人は呼び出して、医療機関の受診を説明します。
病院嫌いで、なかなか医者に行ってくれない人も結構います。

時には、企業内で生活習慣病の講演などもします。
５０人以下の事業所にも「地域産業保健センター」から、産業医が出向いて、無料で健康相談ができるシステムが構築されています。
国は零細企業で働く方の健康管理にも、しっかり力を入れています。

企業にお勤めの方は、ぜひ産業医を活用してください。
働く人の健康を守るのも、町医者の仕事だと思っています。