《0301》 花粉症の舌下減感作療法 [未分類]

「舌下減感作療法」という 花粉症の新しい治療法が注目されています。
花粉症の唯一の根治療法であるとも言われています。

実は減感作療法は、私が研修医だった26年前にもやっていました。

当時、大阪の病院で気管支喘息の患者さんを沢山診ていました。
ある重症の喘息患者さんは、ダニが喘息のアレルギー抗原でした。

その抗原薬を、何万倍にも希釈したものを、週に1回、皮下注射し、
1年ほどかけて、だんだん濃い濃度に上げていきました。

定められたプログラムに沿って注意深く徐々に濃度を上げる。
要するにその抗原に、徐々に慣らすという治療法なのです。
かなり時間と手間はかかりますが、根本的な治療法です。

いきなり来たら、過剰なアレルギー反応を起こすことでも
徐々に来られたら、少しずつ慣れてしまうという原理です。
そういえば、世の中、そのようなことはよくありますよね。

そんな「減感作療法」を、皮下注射ではなく口から抗原を吸収させて
慣れさせて、過剰な免疫反応を抑えるのが、この新しい治療法です。
詳細は割愛しますが、よい治療成績が出ており急速に普及しそうです。

スギ花粉エキスを、もし鼻粘膜に直接入れたら大変なことになります。
局所で激しい花粉症状が起きて、下手をすればショック状態になるかも。
それを鼻ではなく、口から吸収させることが、この治療法のミソのようです。

ただし、この治療法は時間がかかります。
秋から開始して、注意深く観察しながら徐々に濃度を上げていき、
春に成果を出していくという治療法のようで、専門医で行います。

花粉症は、耳鼻科やアレルギー科の専門医とよく相談してください。