《0311》 どんなパンツをはいて家を出ますか? [未分類]

毎日、どんなパンツをはいて家を出ますか?
今日、どこかで死ぬかもしれませんよ。
私は、朝家を出る時、いつもそう感じます。
そう考えて、毎朝、パンツをはき替えている人はエライ!

救急現場では、いわゆる「突然死」に近い人の蘇生に遭遇します。
町医者でも、「突然死」までいかなくても、突然の体調悪化に
対応・処置することがよくあります。

意識がない人には大腿部から採血したり、オシッコの管を入れたりします。
パンツを切り裂くこともあります。
救命・蘇生処置に、下着は邪魔なのです。

見るからに男らしい男性が、女性の下着をつけていたこともありました。
一見清潔そうでも脱がしてみると、下着が不潔なこともありました。

私は、いつも、それが心配になります。
一日中、死ぬことばかり考えている人はノイローゼです。
しかし、その意味で下着まで考えている人は少ないでしょう。

武士道とは死ぬこと。
死を覚悟して生きるのは、仏教も同じかもしれません。
その国民性の割には、現代人は、あまり死を意識しなくなりました。

私は寝る前に、朝、死んでいる自分の姿を想像します。
警察やどこかの医者が、自分を検死している……、
普段は忘れていますが、1日1回はそんなことを想像します。

亡くなった人は皆、自分が死んだことを知りません。
みんな自分が知らない間に、死んで行きます。
だから、この世に未練があるようにも感じます。

病気で死ぬ場合、意識がなくなるのは、最期のほんの1時間程度。
自分が自分でなくなるのは、ほんの短時間です。

気丈な人は、死ぬ直前まで自分自身をコントロールしています。
意識がなくなる不安を訴える人もいます。
この人は、自分がもうすぐ死ぬことを分かっています。
稀ですが、そのような人もいます。

「大丈夫、もうすぐ僕もそこに行くから」。
これは慰めでも何でもなく、私の本心から出る言葉。
「少し早いか遅いかだけのこと。心配ないよ」と。

考え過ぎると病的だけど、考えないのも病的。
時々、「死」を意識して生きるのが普通ではないかと思います。

皆さんは、自分の「死」を、どのようにイメージしていますか?
そんなこと、考えたことない?
まあ、それが「普通」ですね。