毎年、10月から3月位まで、インフルの陰で
ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。
ノロウイルス患者さんが来ない日はありません。
嘔吐・下痢で仕事を休むぐらいならまだましですが、
老人ホームでは死亡例も報告されており侮れません。
レストランやホテルなどでの集団感染も報告されています
従来、生カキを食べての発症が有名でしたが、
カキによるものは実際は数%程度と言われています。
むしろ調理従事者からや院内感染の方が重要です。
感染経路は、主に汚染媒体や汚染食物からです。
一番多いのは、吐物からの感染。
吐物にはノロウイルスが沢山含まれています。
ノロウイルス感染の潜伏期間は、1~2日。
症状は下痢、嘔吐、腹痛、発熱などです。
通常、2~3日で回復します。
ちなみに私は、2食抜くように指示します。
水分だけはチビチビ摂ってもらいます。
無理して食べると回復が長引きます。
ノロウイルスの感染率は30%以上と言われています。
すなわちウイルスが入って来ても症状が出ないひともいます。
30~60%は症状が出ない「不顕性感染」とも言われています。
困ったことに感染者は症状が出る前にウイルスを排出しています。
また、感染者は2~4週間もの長い間ウイルスを排出しています。
そのため、家族内感染や食中毒の危険があります。
実は、このノロウイルスは大変ユニークなウイルスです。
1968年に米国オハイオの医師が報告したのが最初ですが、
驚くべきことに未だに分離培養出来ていないウイルスなのです。
(続く)