《0315》 ノロウイルスの不思議(その1) [未分類]

毎年、10月から3月位まで、インフルの陰で

ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。

ノロウイルス患者さんが来ない日はありません。

 

嘔吐・下痢で仕事を休むぐらいならまだましですが、

老人ホームでは死亡例も報告されており侮れません。

レストランやホテルなどでの集団感染も報告されています

 

従来、生カキを食べての発症が有名でしたが、

カキによるものは実際は数%程度と言われています。

むしろ調理従事者からや院内感染の方が重要です。

 

感染経路は、主に汚染媒体や汚染食物からです。

一番多いのは、吐物からの感染。

吐物にはノロウイルスが沢山含まれています。

 

ノロウイルス感染の潜伏期間は、1~2日。

症状は下痢、嘔吐、腹痛、発熱などです。

通常、2~3日で回復します。

 

ちなみに私は、2食抜くように指示します。

水分だけはチビチビ摂ってもらいます。

無理して食べると回復が長引きます。

 

ノロウイルスの感染率は30%以上と言われています。

すなわちウイルスが入って来ても症状が出ないひともいます。

30~60%は症状が出ない「不顕性感染」とも言われています。

 

困ったことに感染者は症状が出る前にウイルスを排出しています。

また、感染者は2~4週間もの長い間ウイルスを排出しています。

そのため、家族内感染や食中毒の危険があります。

 

実は、このノロウイルスは大変ユニークなウイルスです。

1968年に米国オハイオの医師が報告したのが最初ですが、

驚くべきことに未だに分離培養出来ていないウイルスなのです。

(続く)