ノロウイルス感染者が廊下や床に嘔吐した場合、
吐物の正しい処理法を御存知でしょうか?
処理法を誤ると、「大惨事」になる危険性をお話します。
吐物には大量のノロウイルスが含まれています。
ホテルの絨毯に嘔吐した事例がありました。
雑巾で拭き取った後に、ご丁寧にも掃除機をかけました。
その結果、どうなったのか?
その付近を通過した人々が集団感染し、「大事件」になりました。
そう、ノロウイルスは空気感染もするのです。
その近くのエアコンのフィルターからもきっちり
ノロウイルスが検出されました。
ノロウイルスが掃除機でまさに「舞い上がった」ようです。
病院内や学校などの施設内で嘔吐すると、
このような塵埃を介した感染が起こり得ます。
これも集団感染事例がこれまで多く報道されています。
老人施設など免疫能が低下した集団には、ノロウイルス感染は
時に致命的です。何人も死亡した例が多く報告されています。
職員や家族が、ウイルスの運び屋になったケースもあります。
吐物はまずペーパータオルで覆い、乾燥・拡散を防止します。
その上から、家庭用漂白剤など「塩素系消毒薬」を原液のまま
かけて15分程度待ちます。消毒薬は希釈してはいけません。
その後、ビニール袋で内向きに包み込みます。
そして嘔吐した場所は、消毒薬でしっかり清拭します。
これら全てが吐物対策の基本型です。
これらに使用したペーパータオルやゴム手袋は、
「感染性廃棄物」として廃棄することが肝要です。
おむつの場合は、マスク・ゴム手袋を着用して処理します。
便器に飛び散った場合も「塩素系消毒薬」で処理します。
漂白剤を50倍に薄めて散布し15分放置して洗います。
こうした正しい処理法を是非、知っておいてください。
ノロウイルスは相当にしぶといウイルスですので
相手に合わせた拡散防止対応が必要です。
町医者は、ノロウイルスとまさに毎日、対峙しています。
明日は、予防法についてさらに詳しくお話しします。