《0317》 ノロウイルスの不思議(その3) [未分類]

ノロウイルス感染者が廊下や床に嘔吐した場合、

吐物の正しい処理法を御存知でしょうか?

処理法を誤ると、「大惨事」になる危険性をお話します。

 

吐物には大量のノロウイルスが含まれています。

ホテルの絨毯に嘔吐した事例がありました。

雑巾で拭き取った後に、ご丁寧にも掃除機をかけました。

 

その結果、どうなったのか?

その付近を通過した人々が集団感染し、「大事件」になりました。

そう、ノロウイルスは空気感染もするのです。

 

その近くのエアコンのフィルターからもきっちり

ノロウイルスが検出されました。

ノロウイルスが掃除機でまさに「舞い上がった」ようです。

 

病院内や学校などの施設内で嘔吐すると、

このような塵埃を介した感染が起こり得ます。

これも集団感染事例がこれまで多く報道されています。

 

老人施設など免疫能が低下した集団には、ノロウイルス感染は

時に致命的です。何人も死亡した例が多く報告されています。

職員や家族が、ウイルスの運び屋になったケースもあります。

 

吐物はまずペーパータオルで覆い、乾燥・拡散を防止します。

その上から、家庭用漂白剤など「塩素系消毒薬」を原液のまま

かけて15分程度待ちます。消毒薬は希釈してはいけません。

 

その後、ビニール袋で内向きに包み込みます。

そして嘔吐した場所は、消毒薬でしっかり清拭します。

これら全てが吐物対策の基本型です。

 

これらに使用したペーパータオルやゴム手袋は、

「感染性廃棄物」として廃棄することが肝要です。

おむつの場合は、マスク・ゴム手袋を着用して処理します。

 

便器に飛び散った場合も「塩素系消毒薬」で処理します。

漂白剤を50倍に薄めて散布し15分放置して洗います。

こうした正しい処理法を是非、知っておいてください。

 

ノロウイルスは相当にしぶといウイルスですので

相手に合わせた拡散防止対応が必要です。

町医者は、ノロウイルスとまさに毎日、対峙しています。

 

明日は、予防法についてさらに詳しくお話しします。