《0323》 来週発売される認知症新薬「メマリー」 [未分類]

来週の金曜日に、認知症の「メマリー」という新薬が発売されます。
正式名称、メマンチン。

記憶(メモリー)と掛け合わせて「メマリー」と命名されたとか。
既に世界70カ国で販売されているお薬です。

これまでは、アリセプトしかありませんでしたが、これで2剤になります。
その後、あと二つ新薬が発売される予定です。

メマリーは、「NMDA受容体拮抗剤」という難しい理屈のお薬。
過剰なグルタミン酸によるNMDA受容体の活性化を抑制すると。
要するにアリセプトとは、全然違った機序のお薬なのです。

アリセプト同様に、認知症の進行を抑制しますが、特に言語、
注意、視空間能力の悪化を抑えます。
「治す」のではなく、「進行の抑制」がポイントです。

嬉しいことにこのお薬は、「攻撃性」や「興奮」を抑えるそうです。
すなわち、認知症の中核症状のみならず、周辺症状をも改善して
くれるというふれこみの新薬です。

一番多い副作用は、めまい(約5%)です。
そのために、5㎎錠で開始して10㎎、15㎎、20㎎と、1週間ずつ
増量していき、20㎎を維持量とします。

町医者として一番気になるのは、薬価です。
20㎎錠は、なんとアリセプト5㎎錠と同じ、約450円。

メマリーは、アリセプトと併用することが多いと予想されます。
すると、両方で1日約900円。

1カ月で27000円。
3割負担なら、約7000円。
どう考えても相当、高価なお薬となります。

私は、メマリーをまだ1例も使ったことはありません(まだ発売前)。
しかし「攻撃性」や「興奮」が強い患者さんには一度使ってみたいです。
町医者として、効果への期待と、お金への不安が、現在交錯しています。

なんだかんだ言っていますが、自分で飲んで実験してみたい。
よく怒る私を見て、きっと職員たちもそう思っていることでしょう。
皆様の周囲にもいませんか?すぐに怒る人。