《0033》 がんは、やはり早期発見したい [未分類]

しばらく、がんの早期発見について書きます。

以前、慶応大学の近藤誠先生が「がんもどき理論」を展開され、がん検診に対して否定的な空気が漂いました。
しかし、消化器病専門医として、また町医者として、患者さんを長く診ていると、
やはり、「がん医療は早期発見につきる」と、実感します。
早期発見・早期治療で、その後元気で10年以上過ごされている方を見るたびに、
「早期発見で本当によかった!」と思います。
在宅医療の現場で、日々、末期がんの方ばかりを診ているので、なおさらそう感じるのかもしれません。

では早期発見するには、どうしたらいいのか。
症状があって医療機関を受診した場合と人間ドックで偶然発見された場合が考えられます。
胃が痛くて医者に行き、胃カメラを飲むこともあれば、風邪で初診して、
数日後にお薬の副作用かなにかで胃が痛くなって、胃カメラを飲む場合もあります。
一方、毎年、定期的に、人間ドックなどで胃透視か胃カメラをして「偶然」に、胃がんが発見される場合もあります。

自覚症状がなければ、健康保険での検査はできません。
自覚症状のない方、一度に全部の検査をしてほしい方は、自費での人間ドックをお勧めします。

よく「人間ドックの費用が高い」という人がいます。
しかし、日本の医療水準を考えると、「驚くほど安い!」と、私は思います。
要は見つかればいいのです。
早期発見さえできれば、たいていのがんは何とかなります。
問題は、いいタイミングで検査にたどり着くかどうかです。

恥ずかしながら、そういう私自身もたいした検査はしていません。
どこかで怖がっているのかもしれません。
迷った時、そっと背中を押してくれる「かかりつけ医」を持っておくことも大切でしょう。