《0335》 長期戦に備えよう [未分類]

相馬市のある病院の映像をテレビで見ました。
残った、たった10人の医療者が頑張っていました。

避難した医療者と、残った医療者。
どちらの気持ちも分かります。

残った医師は、「患者全員を30㎞圏外に避難させたい」と語っていました。
取り残された現場には、外部からの情報が全然入ってきません。

「この世の終わり」と思い、目の前の責務に埋没していることでしょう。
そして「誰か助けに来てくれる」ことを心のどこかで願っています。

早くバスなどで県外避難がなされることを祈っています。
私は無力で何もできませんが。

医療者も自衛隊も東電も役場の人も、本当に御苦労さまです。
被災現場で過ごされる方の疲労は極地に達していることでしょう。

食糧も睡眠も寒さもストレスも、想像以上でしょう。
精神的なストレスもとても心配です。

遠く離れた私の周囲でも連日のテレビ映像を見続けた結果、
涙が止まらなくなり、精神的に不安定になっている人がいます。
阪神大震災のつらい記憶がフラッシュバックしているようです。

何かしなければと、落ち着きがなくなっている人もいます。
私も既にその症状かもしれません。
多くの仕事を何とかこなしながらも、虚無感に包まれています。

在宅患者さんには震災以外のTVを見るようアドバイスしています。
しかし、これからの被災地の方々のメンタルケアを想像すると、
長い長い大変な闘いになることでしょう。

医療者も市民もすべての人が、心に大きな大きな傷を負っています。
心の傷も「重症」だと思います。
もう少しすれば顕在化するでしょうが、そろそろ意識した方がいい。

こんな私でも16年前に受けた心の傷が、今でもうずきます。
しかしあの時は1週間後に少し外の空気を吸って気分転換できました。
被害の少なかった大阪に出て美味い飯を食べることができました。

しかし、今回は、気分転換する場所が全くありません。
これはとてもつらいことで、とても想像できません。
そろそろいったん休憩しないと、みんなが倒れてしまいます。

県外に「疎開」する動きが報道されて、少しホッとしています。
残っている人々には、何でもよいから、気分転換してほしい。
ここらで少し休んでほしい。

救援要請と矛盾するようですが、医療者など「助けている側の人」が
倒れないようにすることが大切です。

不謹慎かもしれませんが、歌でも歌って、しっかり発散してほしい。
思い出すのは、音楽。

病院の下にあるお店に、渡邊貞夫さんが来て演奏してくれました。
あのサックスの音は一生、忘れない。