《0337》 「地域」の「介護力」で、支えよう [未分類]

昨夕、80歳の女性と16歳の少年が、潰れた家の中から救出されました。
10日目ですが、まだ生きている人がいた!

会話はできますが、28度と相当な「低体温症」のようです。
クラッシュ症候群を乗り越えて、何とか無事、回復してほしい。
救出・搬送していただいた関係者の皆様、ありがとうございます。

阪神大震災の時も、1週間くらいまで掘り起こされていました。
しかし今回は寒さがあるので、もはや無理かと思っていました。

この2人の生命力に、感動しました。
よくぞ生きてくれていた。

このお2人は頑張っておられる方々の希望の星になるでしょう。
厳しい中での明るいニュースに、思わずエールを送りました。

さて、在宅で療養中のALSなどの難病患者さんは、
人工呼吸器の電源確保に大変苦労されています。

自家発電機は、12時間しか使えません。
また普段4時間かける人工透析は2時間に短縮されています。
そもそも透析施設に通院するガソリンの確保が大変だとか。

困っている人は、まだまだいます。
身体障害者の生活も決して忘れてはなりません。
摘便や簡易トイレへの動線などの課題もあります。

単身での避難所生活を余儀なくされている人もいるでしょう。
酸素吸入や人工呼吸器などを装着中の患者さんに加えて、
困っているのが、大勢いるであろう認知症患者さんです。

さらに統合失調症の患者さんは集団生活ができない人も。
また発達障害の子供さんも、急激な環境の変化に
耐えられないことも出てくるでしょう。

やはり「福祉避難所」のような施設の確保も急がれます。
在宅でしか過ごせない人々も取り残されているでしょう。
避難所には、障害者もいることを忘れてはなりません。
彼らは私の提唱する「疎開」が簡単にはできない人たち。

そこでの需要は、医療よりむしろ「介護」に移行するはず。
ヘルパーさんの需要が一気に高まると予想します。
「介護力」への支援が急務でしょう。

今後、取り残された人々には「在宅」も「施設」も一緒にして
「地域」という大きな視点で考えてはどうでしょうか?
多様性を包含できるのが、「地域」の底力なのでしょう。

「地域全体が避難所」という考え方は、普段、在宅医療の現場で
感じている「町全体が病院」というイメージに大変近いものです。
そろそろ障害者の視点で、避難所を見直す時期だと思います。

頑張れ、東北。