《0339》 避難所での下肢マッサージ [未分類]

避難者に無料でマッサージをする柔道整復師のテレビ映像を見ました。
ストレスが限界となった避難者たちは、大いに癒されることでしょう。
今日は、避難所での下肢のマッサージに際しての注意点を書きます。

有名な、あのエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)。
避難所でのマッサージに際しては、その発症予防が非常に大切です。

避難所では、飲み水の不足から肺血栓塞栓症が発生しやすい状況にあります。
エコノミークラス症候群の予防には、運動療法およびマッサージが有効です。

しかし既にエコノミークラス症候群を発症した方には下肢のマッサージは禁止です。
下肢の静脈の血栓を移動させ、肺血栓塞栓症を誘発する可能性があるからです。

震災より11日が経過し、脱水傾向と相まって潜在的な肺血栓塞栓症発症の
危険性がかなり高まっています。
避難所での運動療法およびマッサージ施行の際には、ご注意ください。

マッサージを始める前に、「肺血栓塞栓症」を疑う以下の症状がないかどうか、
よく確認してください。

下肢の腫脹・疼痛、下肢表在静脈の怒張、鼡径(そけい)部の圧痛、
ふくらはぎの把握痛、足関節背屈でのふくらはぎの疼痛、などは
「深部静脈血栓症」を疑わせる所見です。

マッサージ中に、そのような症状が出現した場合は、医師にご相談ください。
マッサージ前と最中に下肢を観察するだけで、危険性が軽減できます。
2次災害、突然死、を予防するためにも、知っておいてください。

お水をしっかり飲むことが、血栓症予防の第一歩です。
ぜひ、医師や看護師をはじめとする医療者によく相談し、避難所での
肺血栓塞栓症をしかり予防してください。