《0344》 ようこそ、尼崎へ [未分類]

クリニックの隣に、被災地から8人が避難して来られました。
8人が、大きめの一つの部屋に寝泊まりされています。
一昨日、お邪魔して少しお話をうかがいました。

2人は家が流された方で、6人は原発で避難されていました。
家が流された方は、帰りたくても帰る家がない、と言います。
当たり前のことを眼の前の人から聞くと、言葉がありません。

尼崎での生活は、快適だそうです。
何も不自由していないと。
横に沢山の24時間営業のコンビニや食堂があります。

「何が一番困っていますか?」と訊いてみました。
それは、お水でもご飯でも衣服でもありませんでした。
やはり、「お金」でした。

銀行のキャッシュカードも流されて、お金が下ろせません。
所有していた不動産の家賃を集めることもできません。
しかし「借金返済」だけは待ったなし、だそうです。

被災者は、お金に関する見通しが最も心配なのです。
長い目でみると、生活保護になる人も出るでしょう。
しかし今こそ経済支援、就労支援を考える時です。

被災地の復興に関連した雇用需要も大切ですが、
原発の動向が大きく影を落としています。
さらに農業は、壊滅的な打撃を受けています。

その部屋には、小さなテレビが1台だけ置かれていました。
皆さん、お顔はとても穏やかでした。
話し方も尼崎と違ってほのぼのしていて、癒されました。

やはり持病のお薬がなくなったそうです。
被災者は、無料で全国どこでも受診できます。

1人は、膝が痛くて歩けないと言っていました。
2人は、今日いったん被災地に戻るそうです。
新幹線と車を使うそうです。

そうです、何度でも行き来すればいいのです。
もっと仲間を尼崎に連れて来てください!と、
避難所の方への宣伝を依頼しました。

たとえ1週間でも骨休めに来てほしい。
休んで元気になって、今後のことを考えてほしい。
人間は、休まないと精神に変調を来します。
とにかく気が遠くなるような、長期戦です。

彼らとのお話の中で感じたことは、生活支援の次は、
経済支援ということです。
お金がなければ、生きていけません。

義援金も出しているが、困っている人に直接お金を寄付
できたら一番いい。
もし寄付控除ができたら、さらに多くの寄付が集まるはず。

全国各地でこのような「疎開」者の受け入れが始まっています。
国を挙げて物心両面からの温かい支援が続いています。
未曾有の大災害は、日本全体でしっかり吸収していきましょう。