被災の中心部には、驚くほど情報がありません。
ラジオが主な情報源でしょう。
断片的な情報でも仕方がありません。
遠くにいる人ほど詳細あるいは大局的な情報が入ります。
津波被害、原発、液状化……。
むしろ海外メデイアの方が、詳しく報道しているようです。
16年前を思い出しました。
ネットも携帯もありませんでした。
病棟の詰所では、小さなラジオが外部との唯一の接点でした。
仕事の傍ら、ラジオから流れてくる声に一喜一憂していました。
2週間目を過ぎると、音楽の流れる時間が増えました。
いろんな人が音楽で励ましてくれたことを覚えています。
嬉しかった。
思わず涙が出ました。
もっと情報がほしい、とは思いませんでした。
無意識に情報をシャットアウトしていたのでしょうか。
情報を収集できるということは、その余裕があるということ。
現場にいる人は、眼の前のことがすべて、です。
まさに、Here and Now。
今日のご飯、今夜のお風呂、明日のお金……。
そんな被災地に、ラジオから日本中の想いが伝わっているはず。