《0347》 一つのオニギリを2人で分ける [未分類]

遠い尼崎でさえ様々なところで影響が出ています。
ファミレスではスパゲティやパフェが中止でした。
パニック発作や不眠などの症状の方も増えています。

ある若者は、あの映像を見て全財産を衝動的に寄付しました。
その結果、電気代が引き落としされず止められそうに。
この話を聞いて、笑いながら、泣いてしまいました。

被災地では充分に食糧が行きわたらない所があります。
何事につけ、世の中、多少のばらつきが生じます。
一つのオニギリを2人で分けている所もあるでしょう。

液体栄養剤の工場が被災して製造停止になっています。
それで生きておられる胃ろうや胃管の患者さんは困ります。
尼崎でも、代替品さえも品薄になっています。

では、尼崎と被災地のどちらを優先すべきでしょうか?
もちろん尼崎の患者さんも大切です。
しかし、尼崎で不足しがちのものでも少しは被災地に送るべきです。

なぜか。
尼崎では代替品が豊富であり、作ろうと思えば同じような栄養剤を
手作りでも作製できる環境が整っているからです。

被災地は何もありません。
同じ栄養剤でも、被災地と尼崎ではその価値に差があります。
ですから、全部とは言いませんが、一部は送るべきでしょう。

二つの栄養剤は、健康保険が効く医薬品です。
しかし、代替品は健康保険が効かず、自費扱いになります。
その自費が払えない患者さんは医療機関が肩代わりします。
現物給付も大切なことです。

どんな形ででも被災地を優先させるのが今の価値観です。
このような形で尼崎の医療機関でも少しは役に立てます。

ただし、電気を止められそうになった若者と同じようなことは
なかなかできません。
自分のできる範囲内でバランスを保ちながらの支援が大切です。

長期戦です。
マラソンと一緒。
細ーく、長ーく、でいいと思います。

明日、4月1日にも、尼崎から被災地に向けて栄養剤やオムツが出発します。
民間企業のコンテナが、ご厚意で届けてくれます。

善意のリレー。
絆の連鎖。
少しばかりのおすそわけ。