免疫能が落ちてヘルペスが出た企業戦士が受診されました。
仕事が大変忙しく、過労が続きほとんど寝ていないようです。
ここで黙ってヘルペスのお薬を出そうかとも、思いました。
しかし、過労の裏に何があるのか詳しく聴いてみました。
するとその患者さんは、ある企業の節電の責任者でした。
ここ尼崎でも地震や原発と決して無関係ではないのです。
大企業には、政府から厳しい節電命令が出ているそうです。
あらゆる「節電作戦」が不眠不休で練られてきたそうです。
そのため、その方は疲れ果てて、何度か当院を受診された。
節電の第一歩は、電気を使う時間帯を分散させることです。
工場によって休日をずらしたり、夜に工場を稼働させたり。
今まで日勤だった人を、夜勤にするのは大変な作業です。
高度成長期の24時間稼働とはまた違った目的での深夜業。
この深夜業で、また様々な健康障害が増えるのが心配です。
またこの難作業を企画管理する方々のストレスも相当です。
大企業はこのような涙ぐましい努力を強いられています。
一方、家庭節電の方はどうでしょうか。
企業は罰則規定があるでしょうが、個人にはありません。
自分さえよければいいという考えでは個人節電は進みません。
小さな節電の積み重ねが、大きな節電につながります。
この夏を乗り切るには、それしか道はないのでしょう。
私は電気の専門家ではないので、数字には自信がありません。
確か大企業は25%、家庭は15~20%削減が目標かと。
既に関東地方の方々は、節電生活を実践されているのですね。
関西でも、そろそろ節電の準備を始めなければ。
その方が運動の機会が増え元気になったりして。
たまには、昔に戻ることがあってもいいと思う。
節電がストレスにならない新たな工夫も必要です。
節電のために倒れる人が出ないような準備も大切。
病院も節電の例外ではなく、大幅な見直しが必要。
計画的に夜に手術をしたり、休日に手術をしたり、
なんて勝手な想像もしてしまいました。
これからは「知恵」を働かせる時代になるのでしょう。
節電が、病人を増やしませんように。
むしろ、病人を減らすように、しっかり備えていきましょう。
節電と医療は、想像以上に関係が深いと思います。