《0370》 スーちゃん、ありがとう [未分類]

キャンディーズの元メンバー田中好子さんの訃報に言葉がありません。
私と歳は二つ違い。
本当に、信じられません。

引退の時の曲、「微笑み返し」が頭の中を駆け巡りました。
不思議な魅力を持った3人組でした。

3人の中で「お前は誰のファン?」と男子ならよく訊き合ったものです。
私は、スーちゃんのファンでした。

引退後は女優としても活躍され、円熟期の彼女が、まさかがんという病気と
19年間も闘ってきたとは思いもしませんでした。
大変な闘いであったと想像します。

一昨日、あるホテルでの講演会で乳がんについてお話ししたばかり。
「乳がんは全身に転移していても10年以上生きる不思議ながん」と。
まさかその翌日に、スーちゃんが逝くとは……。

カラオケ大会も最後になると、昔の歌になります。
私の世代なら、誰かがキャンディーズを歌います。

そして気がつけば皆で歌っているのが「微笑み返し」。
スーちゃんにちょっと似た知人の死も、思い出しました。

この2日間で3人の在宅患者さんとのお別れもありました。
新聞では、2万7千人という気が遠くなる数字も見ました。
ちょっとつらい、つら過ぎる、4月です。

石巻のボランティアから帰ってきた知人に様子を聞きました。
すごく大変な作業は、ボランティアというには過酷だったと。

津波とがんと。
情け無用な自然の力。
生かされている自分に感謝するのがやっとです。

荒涼とした津波の痕に、キャンディーズの歌が流れています。
聞いている人は、マスクをして黙々と作業をされています。
そんな夢か現実か分からない風景が頭の中を駆け巡っています。

「春一番」を歌う3人の声がメロディーとともによみがえります。
そう、5月になれば、みんなで気取ってみましょうか。
遅い春が、ついそこまで来ています。

つらいのはもう少し……。
GWは被災地にお世話になります。

微笑み返し、できるのでしょうか。
今言えるのは、ありがとう、スーちゃん、だけです。