《0371》 復興は総合医の視点で [未分類]

東電のトップが被災地を訪れ、深く謝罪されていました。
この映像を見ながら、どこかで見た光景だと思いました。

そうだ、医療事故で大学病院の院長が謝罪している光景。
地震、津波、原発事故、風評被害の四つの病気との闘いです。

がんの手術に失敗して医療事故が起こり、難治性感染症も合併。
がんと感染症とリスクマネッジメントの各専門家が招集された。
同様に、各界から専門家が招集され復興会議が結成されました。

リーダーがそれぞれの立場から様々な知恵を出し合っています。
今こそ各界の知恵を「結集」し、「議論」、「実行」する時です。

病院での「チーム医療」と、どこか似ているように見えます。
復興会議が手術後の院内カンファレンスに見えてしまいます。
在宅医療の世界では「多職種連携」や「ケア会議」と呼びます。

専門家が集まってそれぞれの立場で意見を述べます。
それをまとめるのが、議長なりリーダーの責務。
これからは、総合医のような視点が必要です。

住居、生活、仕事、医療、介護、それぞれがつながっています。
その土台に、原発事故が横たわり、問題を複雑化しています。

すべてを一元化して、総合的に判断・実行する能力が必要です。
大変難しい治療です。

簡易ベッドで寝泊まりしてきたご家族の疲労はもうピークです。
しかしあきらめることなく慎重に、治療を継続する必要があります。

復興会議のメンバーに僧侶の玄侑宗久さんが入られています。
1年前神戸で彼の講演を聴いた時、著書にサインをいただきました。
味わい深い毛筆を見直してみました。

福島県のお生まれで、臨済宗福聚寺の住職をなされています。
私は彼の大ファン。
「禅的生活」が一番記憶に残っています。
「これも何かのご縁」だと宗久さんは言われるのでしょうか。

もう1人、建築家の安藤忠雄さんのお名前も入っています。
彼の設計された建築物をいくつも訪れました。
彼のユニークな経歴、独創性、世界的評価はあまりにも有名。

数年前、地元・尼崎で開催された小澤征爾さんのコンサートを
偶然にも、安藤忠雄さんの真後ろの席で見たことがありました。
強烈なオーラ、底知れぬパワー、を感じました。

震災復興には、「総合医」的な視点が必要です。
既存の発想では、難局を乗り越えることはできないでしょう。
玄侑宗久さん、安藤忠雄さんの提言に大いに期待しています。

まだ「復興」という言葉は早い、とも言われています。
ならば、眼の前の困っている問題から解決を考えましょう。
復興会議の動向から目が離せません。