《0378》 気仙沼市大島にて [未分類]

気仙沼港には黒く焼けた漁船が何隻か横たわっていました。
湾を囲む漁業関連施設は、壊滅的な被害を受けていました。
仮設住宅はもちろんですが、港湾の整備も急がれます。

気仙沼市の大島という島の災害支援に付いて回りました。
ここは聖マリアンナ医科大学の派遣チームが中心となり、
山形大学のチームなども参加され支援が行われています。

大島は気仙沼港からフェリーで約20分の風光明媚な島です。
しかし大津波が島の中央部を乗り越えてしまいました。
一時は島が二つに分かれたそうです。

中心部にある歴史ある大島小学校の避難所の朝は、
医療スタッフたちによるラジオ体操から始まりました。
調子が悪くて立ち上がれない避難者が分かります。

理学療法士さんや作業療法士さんが、リハビリをしていました。
老人が立ち上がる時に手をつく台がないので、困っていると。
薬剤師さん、歯科衛生士さんたちも活動されていました。

島で唯一の診療所の先生を訪ねました。
震災後患者さんが増えたものの、淡々と診療されていました。

既存の診療所と大島小学校の救護所が島のすべての診療所です。
災害支援チームとその診療所の先生が、助け合っていました。

既存の診療所と救護所の医師が、上手く連携されていました。
亜急性期から慢性期に入った現在、この「連携」が大切です。

町で唯一の訪問看護師さんに在宅医療を案内していただきました。
大島にも、在宅療養患者さんがおられることを、知りました。
島の訪問看護師さんが頑張っておられました。

島の老人は雨の中でも畑に出て農作業されていました。
後期高齢者になっても働いている方が大勢おられます。
長生きの秘訣は適当な労働にあるのかなと思いました。

認知症の在宅患者さんを看護師さんと一緒に訪問しました。
素晴らしい認知症介護者ともお会いしました。
言葉は多少違っても医療・介護は同じだと改めて思いました。

海外から被災地に駆けつけた看護師さんらともお話ししました。
海外での医療活動を中断して東北の地に張り付いておられます。
避難所に寝泊まりしている医師や看護師さんも沢山おられます。

避難所生活の方が、まだまだ大勢おられます。
瓦礫の撤去なども、少しずつしか進みません。
住居やお金があってこその医療だと実感します。

枕5個を届けた避難所の方によく眠れたか訊いてみました。
「結局、人にあげてしまいまだ枕で寝ていない」とのこと。
昨夜は、さらに五つの枕を差し入れしました。