《0380》 思い出探し隊 [未分類]

昨日、名取市の壊滅地区にある閖上小学校を訪れました。
校舎の1、2階が津波にやられたようですが、
3階と屋上が2000人もの命を救った学校だそうです。

体育館は、瓦礫から発見された写真の展示場になっていました。
写真を洗うボランティアたちは「思い出探し隊」と呼ばれています。
一つひとつの写真を見ていたら、不意に涙が溢れてきました。

阪神大震災の時は、瓦礫の撤去の時期がその後の運命に影響しました。
思い出を取り出す時間がなかった人です。
思い出が必要な人ほど、思い出を取りに戻れない状況だったのです。

すべてを失った人は、16年経った現在でも虚無感が消えません。
わずかでも思い出が残れば、人は生きていけるように思います。
「思い出探し隊」の活動は、各地で広がってほしいと思いました。

小斎誠進さんという方が中心となっている活動です。
説明をしていただいた大宮久美子さんらが手伝っています。

広い体育館内を、写真を捜す人が巡回していました。
巨大な、持ち主と写真(=思い出)のお見合いの場。

今日発掘されたばかりの泥まみれのブツが自衛隊員により運び込まれました。
これをボランティアが、綺麗に洗浄し、復旧して日付け順に並べていきます。

発掘された日付けを書くのは、何度も重複して探さなくてもよくするため。
単品写真は新しいアルバムから探せばいいのです。
セット写真であれば、それぞれがひとまとめになっています。

壁や網に貼られている写真も沢山ありました。
なかには亡くなる寸前の人が、写真に写っているそうです。
残された方にとっては、思い出は「宝」です。

思い出探し隊は、思い出守り隊。
こんな地道な支援を惜しまないボランティアさんと、拾得物を届けていただく
心優しい自衛隊員に思わずお礼を言いました。

3階の音楽室の黒板には、自衛隊員から小学生へのメッセージがありました。
「大変だけど、頑張ろう!」と。
多くの命を救ったこの学校が、再開される日をお祈りします。