《0388》 相馬・井戸端長屋 [未分類]

震災2カ月。
今なお、多くの方が避難所生活です。
急ピッチで仮設住宅が、建設されています。
仮設住宅に移られたばかりの方に訊いてみました。
仮設に入れて嬉しい半面、食事代や電気代を心配されていました。
避難所はすべて無料ですが、仮設は家賃のみが無料です。

立谷秀清・相馬市長は、新しい仮設住宅を日夜考案中です。
医師として、また病院・介護施設の経営者としての知恵が活きます。
「今後の目標は孤独死、自殺を出さないことだ!」と断言されます。
阪神大震災の時も同じことが言われました。
しかし、多くの2次犠牲者が出ました。
今回は、規模があまりにも甚大なので相当な対策が必要です。

さっそく、井戸端会議ができる長屋を考案しました。
比較的元気な単身高齢者が暮らす長屋です。
食事は、原則、皆で集まってします。
大型浴槽での入浴も。
1ユニットで12人が暮らします。
「立谷Sー12型被災高齢者共助生活住宅」の設計図を見ました。
既に、この長屋が2棟、建設計画に入っているそうです。
仮設を経ないで、いきなり避難所からの入居もめざしています。
「復興は高齢者の共生社会へ」とのスローガンを実行に移しています。
従来の仮設住宅は期間限定です。
どうせなら最初から立谷市長さんのような長屋の方がいいでしょう。
Sー12の、Sは相馬、12は単身者12人という意味です。

それ以外に、家族を想定した、A型、B型も考案されています。
設計趣旨は、

  1. 夕食は一堂に会して摂る
  2. 共通ランドリースペースに「井戸端」を作る
  3. ランドリースペースの外側に「濡れ縁」を設ける
  4. 16・5㎡の畳コーナーを設け団欒の場とする
  5. 全館ユニバーサルデザインとする
  6. 全館バリアフリーとする
  7. 手摺付きの大型浴槽を1個配備する
  8. ボランテイア対応スペースを設ける
  9. 来客対応の客間を設ける
  10. 共助スペースは、災害時の支援拠点とする

これはもしかしたら、被災地以外でも通用するかもしれないと期待しています。