《0390》 長野から東北を想う [未分類]

昨夜は、医師会での講演のため長野県松本市を訪れました。
霧立つ神秘的な木曽路を眺めながら1週間ぶりの外出です。

本来の在宅医療の講演の後、被災地での活動報告もしました。
本来の在宅医療の話より、震災の話の方に力が入りました。
被災地の医療や介護を語るには、生活や町作りが優先します。
失われたものがあまりにも大きいことを、私なりに伝えたい。
在宅医療より震災の話の方が、身を乗り出して聴いていただきました。
長野県の方も、被災地のことを強く想っておられました。

日々の在宅医療を淡々と行いながら、被災地を強く想いたい。
GWの1週間も、私にとっては被災地への「訪問診療」でした。
視診、触診、聴診、すべて行ってきました。
私なりに診断ができて、治療指針も気がつきました。

松本駅のエスカレーターは止まっていました。
中部電力の影響です。
長野県の一部は、東電からも供給されているそうです。
中部電力から東電に行っていた電気はなくなるのでしょうか。
むしろ、関西電力が中部電力を助けなければならないそうです。
そうなると、関西電力にも大きな影響が出ます。

福島は東電から。
東電は中部電力から。
中部電力は関西電力から。
被災地と関西が、こんなに深くつながっていることを確認しました。
無関係どころか、ものすごく関係ある。
被災地のことを忘れて暮らすことはあり得ません。

長野県では、夜間に余った電力を利用して水を汲み上げて、翌日の水力発電をしていることを知りました。
エネルギー効率は悪いが、やる意味はあります。

長野県は、大学時代に下伊那郡浪合村での無医地区活動で何度も訪れた県です。
おそらく、20回くらいは、来ています。
しかし、松本に来たのは初めてです。
70年の歴史がある料理屋さんを見学しました。
2階の大広間は、歴史と風情を感じさせる空間。
こんな落ち着いた建物は、尼崎にはありません。

観光をする間もなく、始発電車で帰阪します。
ちょっともったいないが、木曽路にお祈りします。
事態が早く収束に向かいますように!
1週間ぶりのささやかな「エスケープ」でした。