《0392》 テレビのテロップを全国で流して! [未分類]

被災地でのテレビには、24時間、被災地情報が流れています。
実にリアルな現地情報が、画面の周囲に常に流れ続けています。
それを見ているだけで、泣きそうになります。

8日間被災地にいて、帰阪した時、浦島太郎状態でした。
まさにジャングルから大都会に戻ったような気がしました。
この感覚は、16年前に感じたものと全く同じものでした。
被災地から大阪に出た時、「別世界」だと感じました。
何もなかったかのように、世の中は動いている……。
呆れを通り越して、怒りに変わりました。

16年前も、非常事態宣言をしてほしかった。
物理的ではなく、せめて精神的に痛みを共有してほしかった。
しかし、「無力感」と同時に「無政府状態」だと感じました。

あの時の怒りを、再び思い出します。
「あのテロップは本当に東京には流れていないのですか?」被災地の方は全員そう思うでしょう。
全然、流れていないのです!
私も帰阪して、さっきまで現地で話していた飯館村の方と、電話で話しながら、何となく外国と話している気がしました。
被災地を離れると、現場の感覚はすぐに薄れてしまいます。

「痛みを感じる」こと。
「痛みを共有する」こと。
そこから、すべてが始まります。
そのためにも、被災地に流れている現地情報テロップを、全国のテレビで流すべきです。
これがないのは、充分に痛みを共有できない一因でしょう。

申し訳ないが新聞の全国版では充分に伝わると思えません。
大手新聞は、大部分、安全地帯にいる記者が書いています。

一方、テレビのテロップは被災者自身が流しています。
全く違います。
ここなのです!

被災地のローカル新聞を毎日買い集め、大切に持ち帰りました。
今、机の上には、生々しい現地の新聞を置いたままです。
これを読むと涙が出ます。

現地の地方新聞を、全国の人に読んでほしい。
せめて国会議員などの権力者に読んでほしい。

福島県の混迷は、むしろ日々深まっています。
同じくテレビの現地テロップを全国で流してほしい。
国を挙げての支援は、まず現地情報を知ることから。
テレビテロップから、切実な叫びが聞こえてきます。

傷の状態を感知してリンパ球等が動員される免疫システム。
そのきっかけが、テロップなのです。
テロップを読んで、「感じて、動く」。
感じないと、動けない。