《0396》 被災地の介護現場 [未分類]

被災地に残った介護施設は、大変な運営を強いられています。
要介護老人は待ったなし。
水道、電気のライフラインが閉ざされた中での施設介護。

介護職員も被災者です。
被災者が被災者を助けている。
この現実は、阪神淡路の時と同じ。

多くの医療者が被災地で支援活動していますが、介護士も現地に入っているのでしょうか。
医療者は大病院からの派遣が大半ですが……。
災害派遣は、大きな組織のバックボーンがないと難しい。
マンパワーの余力が少しはないと、派遣ができない。
個人開業医は1人しかいないので患者を放って行けない。

介護士さんは、どうでしょうか。
組織はあっても慢性の人手不足にある。
派遣できる余裕など、ないのでしょう。

水の調達だけでも一仕事。
入浴や清拭に、水は不可欠。
ボランティアが手伝えれば。

在宅医療・介護も、一部は崩壊しています。
デイケアやショートステイは以前のように使えません。
家族介護者の苦悩は、なかなか表に出ません。

介護施設も同じです。
周辺市町村の介護施設は、定員以上を受け入れています。
現在、1~2割増程度でしょうか。
当然、介護職員の仕事量も増えます。
彼らも被災者。
ほとんど日が当たらない現実、です。

原発周囲からの避難民を受け入れている周辺自治体の苦悩も同様。
30キロ、40キロ圏内からの避難者を受け入れている自治体。
自らも被災地でありながら、被災者を受け入れなければならない。

壊滅自治体の支援はもちろん大切ですが、周辺自治体の支援も劣らず大切です。
特に福島県では、そのような視点が必要です。

相馬市、三春町、二本松市、いわき市などの介護施設が心配でなりません。
頑張っている介護職員たちの精神力がどこまで続くか……。
彼らはまるで「防波堤」のように見えます。
目に見えない活躍で何とかしのいでいる。
「防波堤」を護る支援が必要です。

「医療より介護」のフェーズに入りました。
日が当たりにくい「介護現場」にも目を向けましょう。
被災地で頑張っている介護職員に、エールを送りたい。