《0398》 これも自然か [未分類]

津波が引いた後に海水が残った土地ができました。
まるで、取り残された「沼」のようです。

破壊された防波堤は、今なお壊れたままです。
地面だった場所が、海になって消えた。

そんな土地を、いくつか見ました。
陸なのか、海なのか……。

さて、出来た「沼」を今後どうするか。
堤防を修復して、干拓すると、普通は考えるでしょう。

しかし航空写真を見ると、昔の地形が浮かび上がります。
大昔も同様の津波によって、沼地が出来ていたようです。
当時は干拓して修復しましたがまた同じことが起こった。

ある首長さんは悩んでいました。
防波堤を修復するか、しないか。
「これも自然」と考え、そのままにしておくのか。

地域住民も悩ましいでしょう。
二つの相反する処置の決定には、相当な議論が必要です。
「これも自然」という方が勇気が要るような気がします。

自然をコントロールしようとするのか、しないのか。
後世のために、壊れた堤防をどうするのがいいのか。
人間の叡智が試されているような気がしました。