《0410》 もう一つの現在進行形、冠水は消えず [未分類]

石巻から女川町に向かう道で不思議な景色を見ました。
道路が冠水しているのです。
それに加えて、水面のアチコチから噴水のようなものが上がっていました。
地盤沈下で満潮時には、冠水して通行できなくなります。

車を停めて付近の人に訊いて、状況を初めて知りました。
ちょうど満潮1時間前だったので、急いで通過しました。

大潮には床下まで浸水し、大変なことになります。
子供は学校に通えず、主婦は買い物に出れません。
潮見表と睨めっこしながら、生活しているとのこと。

大変厄介なことは、冠水に下水が混じることです。
地域の衛生状態の悪化が懸念されます。
既に健康被害が報告されています。

普通の生活ができない、将来どうなるのか分からないという、不安とストレスが、渦巻いていました。
報道では、このような冠水地区が沢山あるそうです。

本当に住み続けられるのか、とても迷われていました。
家は何とか残ったのに冠水との闘いが続いています。

一難去っても、また大一難。

長期的に見れば住まいを移す人も出てくるでしょう。
ここでもまた、コミュニティの崩壊が予想されます。
国の支援が必要だと感じました。

ローンの残った家から離れられる人は、まだましです。
離れたくても離れられない人も、きっとおられるはず。
本当に悩ましい問題。

福島も「現在進行形」に、悩まされています。
計画的避難区域からの子供の疎開はやむを得ないでしょう。
大人や老人は、実に悩ましい……。

放射能と冠水。
見えない敵と、見える敵。

放射能は報道されていますが、冠水の報道は少ない。
放射能以外にもう一つの「現在進行形」があることを、忘れてはいけないと思いました。
冠水地域にも支援と強力なリーダーシップを期待したい。

今日は、午前中は診療。
午後は、東京で講演。
夕方は、永田町で勉強会。
夜は、映画の試写会です。

私の8日間を追っていただいたドキュメンタリー映画「無常素描」は、一体どんな映画なのでしょうか。
ドキドキしながら、夜を待ちます。
結果は、また明日。