《0412》 不思議なご縁 [未分類]

気仙沼で出会った医師と昨夜、東京で再会しました。

気仙沼市の大島では、彼は島でたった1軒しかない診療所のお留守番を、1週間以上していました。
GW丸々を、日直・当直に費やしていました。

彼が島を去る時、島にたった1人の先生が、ポツンと一言、「寂しくなるな……」と言ってくれたそうです。
外からの支援部隊にとって、最大級のほめ言葉だと思います。

その医師は、脳外科医です。
実にいい面構えをしています。
大学病院でも活躍しているのでしょう。

その他、いろんな医師に出会いました。
本吉病院では、北海道から来たばかりの医師と出会いました。
何と彼は、昔、尼崎で働いていたそうです。
「もっと早く来たかったが、こんな時期になってしまった」。
そう言いながら、個室が、彼の宿直室になっていました。
1週間で交代する予定だと言われていました。

町立女川病院で出会った医師は、九州から来ていました。
彼も、「もっと早く来たかった」と言っていました。
壊滅地区を一緒に眺めながら、ため息をついていました。

いろんな看護師さんともお会いしました。
皆さん、勇ましいユニホームを着ていました。
それぞれの所属団体の制服です。

海外から駆けつけた看護師さんたちには、驚きました。
ミャンマー、オーストラリアから駆けつけた看護師さんと一緒に食事をしました。
彼女らは、被災者と一緒にお寺に泊まっていました。
何と食堂の店員さんも、そのお寺に泊まっていました。
風呂にも入らず、訪問看護に回られていました。

フリーで来ている医療者もいました。
私もその1人でしたが、内陸部の開業医も駆けつけていました。
石巻では、大阪から来たというフリーの看護師さんと会いました。

医療者は、災害があると、すぐに駆けつけたくなります。
人を助けるのが、医療者の本能だから、当たり前ですが。

それでも、実際に来れる医療者はわずかです。
医療現場は、きちきちで動いています。
余裕がありません。
代理がききません。

よほど大きな病院でないと、派遣する「体力」がありません。
小さな病院や開業医は、代理がおらず行きたくても行けない。

私自身も、GWに行くことしかできませんでした。
行けただけ、まだ幸せでした。