《0413》 阪神すらまだ終わっていない [未分類]

阪神から東北へ、と何度も書いていますが、実は、16年前の阪神大震災すらまだ終わっていません。
阪神間でもあまり認識されていないかもしれません。

震災で、家や仕事場を失った方は途方に暮れました。
お金を借りて何とかギリギリで自力再建しました。
現在も、そのローン返済に、喘いでおられます。
いくら不景気であっても、ローンは待ってくれません。

生活保護になる寸前で踏みとどまっている人もいます。
16年前の傷跡は、現在進行形でまだ残っているのです。

家族を失った方も同じです。
時が、16年前で完全に止まっています。

寝ても覚めても、亡くした家族のことを言い続けます。
そんな精神状態ですから、自分自身も病気になります。
すると、家族の負担も増えて、家族も病気になります。
「負の連鎖」は、現在進行形なのです。

立ち寄ったあるお店の戸が上手く閉まりませんでした。
よく見ると、柱が傾いていました。
「お金がないから直されませんねん」が、店主の言葉。

もちろんあの震災で、何かが吹っ切れた人もいます。
すべてを失うことで強くなった人も、います。

その人の価値観が、180度変わりました。
「死んだ気」になって、動けば何でもできる。
何にも怖くない。
何とかプラスに転化しようと頑張る人もいます。

今回、20年後を想像してしまいます。
被災者が納得できる形になっているでしょうか。
阪神の16年後を見ていて、心配になります。

壊滅地区は、便利な新しい町に生まれ変わりました。
現在快適な町に住んでいるのは震災を知らない人も。
元々住んでいた場所を離れたままの人も少なくない。
東北もそうならないか、心配です。

16年前の阪神の検証が充分だとは思えません。
少なくとも私は、そう認識しています。

16年前にもっと学ぶべきです。
何のための16年前だったのか。
今回に活かさなければ、報われない……。

死ぬまで終わらないのが「震災」。
いや、死んでも終わらないのが「震災」。
「復興」なんて権力者の言葉に聞こえてしまいます。

被災者には、「復旧」という言葉すら永遠にない。
そんな気持ちで、日々の報道を眺めています。
これからが、大変なのです。