《0415》 瓦礫といえば、アスベスト [未分類]

壊滅地区では、瓦礫の処理の際に出るアスベストが問題になっているようです。
これは、16年前の阪神大震災でも経験しました。

古い建物の多くには、アスベストが含まれています。
それを吸い込むと、何十年後かに病気になる可能性があります。
「中皮腫」や「肺がん」といった病気です。

地元・尼崎では今、アスベスト中皮腫に悩まされています。
悪性中皮腫の患者さんの大半は、アスベストが原因です。
現在、何人かのアスベスト患者さんを診ています。

アスベストを吸ってから40年も経過してから症状が出ます。
これほど長い時間を要する「公害病」は、珍しいでしょう。
子供の頃に吸った埃と40年後の今、闘っておられます。
それを知っている者としては、被災地の皆さんも、瓦礫処理の作業員やボランティアも全員心配です。
知らないうちに、アスベストを吸い込まないか。

あと、ヘドロ吸入による肺炎も流行っていると聞きました。
そもそも被災地では、肺炎そのものが増えているそうです。
その中でも、ヘドロを吸い込んでの肺炎が多いとか。

予防法は、防塵マスクです。
インフルエンザ予防と似ています。
マスクと顔を密着させることが大切です。
放射能も怖いですが、アスベストやヘドロも侮れません。
いずれにせよ、防塵マスクは必需品です。

防塵マスクは保安用品メーカーからいくつか出ています。
国家検定DS1、DS2のものが粉塵対策によいそうです。
ただ結構息苦しく暑さのため継続使用が困難かもしれません。

できれば眼もゴーグルで保護するのが望ましいでしょう。
瓦礫を吸い込んだ患者さんの肺をよく調べてみると、細気管支レベルまで病変があり、予防は結構大変です。
作業車両が粉塵を巻き上げている地域なら、別の避難所への移転が望ましいのですが……。
なかなかそうも簡単にいきませんね。

壊滅地区では、防塵マスクが不足しています。
今、防塵マスクを贈るととても喜ばれます。
本来は、国がマスクを届けるべきだと思いますが。