《0042》 世界禁煙デーに思う [未分類]

5月31日は、世界禁煙デーです。
昨年の今日は、新型インフルエンザ騒動の真只中でした。
集会自粛の指令が出て、禁煙イベントは中止されました。
そこで、「インフルの今こそ、禁煙を!」とネットで発信しました。

今年はと言えば、「値上げ前に禁煙治療を!」と、
街頭に立ってスモーカライザー(呼気中一酸化炭素測定器)を片手に禁煙啓発活動に精を出しています。

「先生は、禁煙、禁煙と、うるさいな!」と怒られることがあります。
ところが、世界的に見ると、日本は禁煙に関しては超・後進国です。
これは、国民に意外と知らされていない事実です。

日本は、たばこ規制枠組み条約(FCTC)を批准しています。
世界150カ国以上が批准し、公共の場所での禁煙、受動喫煙の防止などが定められています。

ハワイに行くと、空港でタバコを吸えないことに驚きます。
東南アジアの国々も、禁煙政策では日本よりずっと進んでいます。
中国も、北京オリンピックを機に禁煙規制が進んでいます。

しかし、日本のタバコ事情は、まだ世界の標準に追い付いていません。
神奈川県の松沢知事が頑張っておられますが、居酒屋などの禁煙はまだ実現されていません。
関西のタクシー業界も、ようやく禁煙化にたどり着いたばかり。

私事で恐縮ですが、「禁煙で人生を変えようー騙されている日本の喫煙者ー」(エピック)という本を昨年、出版しました。
この本で強調したのは、「分煙では、受動喫煙の観点から駄目」「禁煙治療の最新情報」「タバコ産業の裏事情」です。

私は、高校でも禁煙講座を行っています。
この数年間で高校生の喫煙率は、急速に低下してきました。
若い人には「タバコなんてカッコ悪い」が、定着しつつあります。
ニコチンパッチに加えて、一昨年からは、バレニクリンという飲み薬を用いた禁煙治療も多数行っています。
当院での禁煙成功率は約6割です。
計5回の受診で、約2万円の投資(3割負担の場合)が必要です。