《0425》 車も船も「シェア」から [未分類]

船さえあれば、今からでも海に出れるのに……。
釜石のはずれにある漁港で聞いた漁師さんの言葉。
80歳前後でしょうか。

東北の人は勤勉です。
残った田畑を耕し、傷ついた船を修理しようとしていた。
定年や後期高齢者という言葉は、彼らには無縁のよう。

よく見ると、エンジンがやられています。
どの船も船体も相当に痛んでいます。
修理できるか、できないかは素人には不明でした。
しかし、小さな船でも一隻1千万円以上もするそうです。
ならば、大規模修理をした方が安いのかも知れません。
しかし、家も流され修理代もないので困っていました。

三陸沿岸では、漁船の共同利用が始まっているそうです。
漁協を通じての共同利用には政府の補助制度もあるとか。
そういえば、車もカーシェアリングが検討されているとも。
船も車も、あれだけ沢山が失われました。
短期間に新調できるとは考えられません。
とりあえずはシェアで我慢するしかない。
たとえシェアでもないよりはずっとマシです。
海に出れば、少しは元気が出ることでしょう。
本当は船をプレゼントできればいいのですが。

都会でもカーシェアリングが、始まっています。
利用したい時だけあればいいと割り切ります。
所有から利便に、価値観が変わりつつある気も。
日本全体が、しばらくは、これまでと違ったモードに切り替わるのでしょうね。
今まで経験したことのない、省エネモードに。
しかし、気持ちを切り替えることも大切です。
一昔前に戻っただけと、思えばいいのでは。
昔は、電話もテレビも、シェアしていました。

なんだか年寄り臭く聞こえるかもしれませんが、つい40年前まで、みんなそうでしたよね。
そうそう、お風呂は今でもシェアしますね。
大阪駅では、雨傘がシェアになろうとしています。
自転車も、シェアシステムがあると聞きます。
若者は、部屋をシェアして借ります。

医療にも、シェアは沢山あります。
CTやMRIという高額機器は、シェアで使います。
休日診療所も、開業医のシェアで運営されています。

最初は、分けることからしか始まりません。
分けることに満足できる人は、幸せな人。
シェアは、「和」の心に通じる気がします。