《0437》 夜間高校で被災地の話 [未分類]

昨夜は、大急ぎで診療を終えて、校医をしている夜間高校に
向かいました。
年に2回、全校生徒に「健康」の授業をしています。

タバコ、がん、睡眠についてスライドを使い講義しました。
喫煙率は、毎年低下しているものの、まだ油断できません。

ちゃんと聴いてくれない生徒もいて、内心、焦ります。
いろんな講演の中で、子供への講演が一番難しい。
中途半端な話では、絶対に聴いてくれません。
学校での講義は、私にとっては、訓練場です。

最後に、被災地を訪問した話をしました。
様々なスライドを見てもらいました。

この辺からお喋りが消えて静かになりました。
「今ここで、大きな地震が来たらどうする?」
と訊いてみました。
マイクを向けたのです。

「六甲山に登る」
「家に帰る」
「高いホテルに上がる」……
いろんな意見がありました。

尼崎も、昔、台風や洪水で大きな被害に遭っています。
所々に、当時の水位の記念碑が残っています。
普段は誰も目も留めませんが……。

先祖からの伝承が大切なことを説明しました。
津波や水害から逃げる具体的方法も考えました。
「防災」とは、「逃げること」という持論も伝えました。

ここまで来ると、シーンとしてきました。
高校生も、被災地には興味があるようでした。
視聴率は、タバコより、断然、被災地でした。

気をよくして、さらに続けました。
「何年か後に社会人や大学生になったら、ボランティアに
行けるような人間になってね」。

学生ボランティアの写真を見せながら、言いました。
真剣な眼差しで見てくれました。
私も嬉しかった。

気がついたら、最後は、こう叫んでしまいました。
「大雨が来たら、梅田の地下街から上に出るんだよ」
「災害からは、どんなことをしても逃げ切れよ」と。

「タバコ」の授業が、気がついたら「防災」の授業に。
でも、本当に防災の方が上位だとその時、思いました。
「タバコ」も大切だけど、「防災」は、別格。

高校生から教えられることは、沢山あります。
鍛えられます。
彼らこそ今後の日本の宝だと思いました。