《0438》 被災地の上を飛んで北の大地に [未分類]

今日で、53歳になります。
えらい年寄りになった気分です。
気持ちは、まだ30歳なのですが。

外来、往診、介護保険審査会を終えて関空から北の大地に
向かいました。
日本慢性期医療学会に参加するためです。

被災地の上空を通過しました。
ドキドキしながら、下を眺めていましたが、雲ばかりで、結局
何も見えませんでした。

せめてお祈りだけでもと、空の上から黙とうを捧げました。
まだ、大勢のご遺体が眠っているのです。

被災地の介護施設は、どこも満員だそうです。
というか、はるかに定員オーバーが続いています。
介護職員の疲弊も相当な段階だと聞いています。

また、福島では、慢性期医療が壊滅している地区も。
急性期医療は、搬送で何とかなっても慢性期医療の
受け皿が少ないそうです。

必然的に在宅医療になるのでしょうが、医師や看護師も
不足しています。
元々、医療過疎の地域でした。

今日から2日間、日本慢性期医療学会で勉強です。
もちろん被災地の今後についても議論されるでしょう。

また、図らずも、本学会の役員を拝命いたしました。
今週、尊厳死協会と慢性期医療学会の役職を拝命。

突然、降ってきた、二つの重責なのですが、私なりに、
頑張りたいと張り切っています。

私の中では、尊厳死とは、尊厳ある「生」の延長線上にあるものであり、
そのためには「良質な慢性期医療」が必要であると解釈しています。

それは在宅医療であったり、療養病床であったりします。
「老人病院」という呼び名が「慢性期病院」に変わる日が来るのか。
まあ、下町の現場で、色々考えながら歩いていきます。

東北は、超高齢化を先取りした地域です。
今後の東北の慢性期医療は、まさに日本の先進モデルとなる
運命となりました。

おそらく、医療と介護はシームレスになるでしょう。
医師が、介護的視点を持ち、介護士が、医療的視点を持つ時代が
来るのでしょう。

今夜は北の大地で、1人寂しく、53歳を祝いたいと思います。
オジンは、それでいいのです。