《0442》 顔の見えるピンポイント義援金 [未分類]

札幌から帰阪する機内のテレビニュースで偶然、
相馬市で殉職された消防団員の慰霊祭が映りました。
ちょうど東北上空で流れたこのニュースに感動。

相馬市では、30~49歳の消防団員10名が津波の犠牲になられた。
彼らの多くには、当然、何人かの子供がいました。

立谷市長は追悼式で、10人の名前を呼び上げ、こう述べました。
「命をかけて住民避難を呼びかけたが、帰ってこなかった。
この勇気を忘れず必ず市の復興を果たすことを誓う」と。

彼は心で泣きながら、この追悼の辞を述べたに違いない。
「俺やみんなのために死んだんだ……」
「逃げようと思えば逃げれたのに死んだんだ……」。

彼は、5月4日、私と昼飯を食べながら、そう言って、
横で静かに泣いておられた。
私も、もらい泣きしました……。

これが3・11以来、彼の心にずっとある想い。
これが彼を動かしている原動力だと感じました。
だからすぐに相馬市孤児遺児支援条例を制定した。

7月2日、48人の子供たちに、支援金が支給されたそうです。
震災遺児の正式な人数が48人なのを報道で初めて知りました。
立谷市長は、確かお腹の中にいる子供も数に入れておられた。

日本以外にもアメリカやフィンランドなど、世界10カ国以上の
国からも沢山の寄付が寄せられたそうです。
7月1日現在、1109件、1億7090万円集まりました。

これが、相馬の48人の子供たちが18歳になるまで、毎月3万円
確実に支給されるのが、この条例の意義です。
これほど使い道がハッキリしている義援金を知りません。

7月2日、立谷市長は「世界中の人たちからの支援です。
これでしっかり勉強して立派な大人になってください」と
支給式で、子供や保護者に話されたと、報道されています。

文字通り「顔の見える義援金」が、スタートしました。
毎月支給されるので、義援金というより奨学金かも。
「顔の見えるピンポイント義援金」だとも思います。

でも、名前や顔なんかどうでもいい。
困っている人に確実に役立てば、それでいい。
私も含めてみんなそう思って、寄付したはず。

今日は、それが、既に確実に48人の子供に渡りました、
この大事なことを、この場をお借りして報告させていただきます。
計算上の目標金額は、約2億円とのこと。
もう少しですね。

子供は宝です。
親を失った痛みを知っているこの子たちこそが、10年、20年後、
我々の日本国を救ってくれるかもしれません。

そんな淡い期待と満足感を抱きながら、うっすらとした夕暮れを
眺めていたら、あっという間に大阪に着きました。